コロナウイルスの影響で世界に大きな乱れが生じている。
今回取り上げるのは、コロナウイルスの国際協力活動への影響について。
国際協力、といえばその名の通り、国際間の協力活動のことだ。多くは先進国が発展途上国への資金・技術支援を行うことを指す。
主な活動母体は
・政府直轄の援助期間(日本ならJICA、アメリカならUSAID)
・NGO(オックスファム、セーブ・ザ・チルドレン、国境なき医師団など)
といった面々。みんなも名前は聞いたことあるのでは?
外国での活動をベースとするこれらの国際協力団体が、今コロナウイルスによって大変なことになっている。具体的には
① 開発プロジェクトの活動が麻痺
② 関係者の強制帰国、渡航禁止
といった事態が発生している。
今回詳細に触れていくのは、②について。
各国のボランティアが次々と強制帰国措置
日本やアメリカのような先進国には、政府直轄のボランティアプログラムがある。
日本でいったら『JICA海外協力隊』、アメリカでいったら『Peace Corps』がそれだ。
彼らは
・任国の発展
・文化の相互理解
・自国への還元
をミッションに活動している。
JICA海外協力隊の派遣実績を調べたところ、
[table id=3 /]
という結果だった。日本人4万5千名がこのプログラムを利用したとは、中々やりますね。
ここで目についたのが、今派遣中の隊員1,785名。
コロナウイルスの世界的大流行により、彼らが全員、強制帰国で日本へ帰る話となっているらしい。
JICA海外協力隊の新規派遣延期→任国滞在者の強制一時帰国措置
3月11日に入ってきたニュースがこれだった。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200311/k10012326181000.html
派遣の決まっていた青年海外協力隊309名が、コロナの影響で派遣延期となった。このような措置をとったのは初めてとのこと。
この措置は当然で、感染国である日本から途上国へ行く行為は、相手国にとっても迷惑な話になってしまう。今の混乱の中任国へ行っても、活動にならない。
そう思っていたら、それから1週間も経たない内に別の情報が入ってきた。
・世界中に散らばっているJICA協力隊全隊員の一時帰国
・・・こんな措置、聞いたことない。エボラの時でもこんな話には発展してなかった。
https://www.asahi.com/articles/ASN3L3R2PN3KUHBI055.html
帰国後は全員、2週間の自宅待機が命じられるとのこと。協力隊の人たちの心境は複雑だろう。
Twitterでの現役隊員の声
なかにはこんな悲惨な目に遭った人も↓
・・・これはJICAの対応がマズイだろ。封鎖される前に動かせるのが協力隊を管理するJICAの役割だし、封鎖された後に交渉で融通を利かせるぐらいの外交力は持たないと。
アメリカのピースコープも同様の措置
実は、アメリカのピースコープの方が日本より早く『全ボランティアの強制一時帰国』を決めていた。
他に、韓国のボランティア派遣組織であるKOICAも、噂では既に一時帰国措置を出している模様。
海外に身を置いている人間の集まりだからか、こうした判断は迅速といえる。
国際支援組織のプロジェクト停止、職員の強制帰国
話はボランティアにとどまらず、国連やJICA、USAIDといった巨大組織本体も困った状況に立たされている。
コロナウイルスの世界的大流行により、発展途上国で動いていたプロジェクトを停止したり、職員を強制帰国させる事態に陥っている。
アフリカのエチオピアでは、JICA関係者がコロナウイルスに感染している。
3月17日には、WHOの本部職員2名の感染も確認された。
https://www.afpbb.com/articles/-/3273917
事態はここまで深刻になっていた。
国連組織は今では業務を在宅勤務へ切り替えており、イベント開催などを控えている。
https://news.yahoo.co.jp/byline/abekasumi/20200316-00167680/
上記記事に登場する国連職員は、在宅勤務で生産性が向上してHappyと言っている。
・・・なんか方向性がズレていると感じるのは私だけだろうか?
コロナウイルスによる国際協力界への影響は、今後も拡大する
依然として感染者数や感染国が増え続けているコロナウイルスは、今後も国際協力界へ負の影響を与えていくことだろう。ぱっと考えて浮かぶのが
・開発コンサルタント会社の収益悪化
・発展途上国への支援プロジェクト数が激減
・業界内のコロナウイルス感染者の増加
これらは避けられない問題だろう。
今回は以上。また今度!