最近話題になっている、大坂なおみ選手の記者会見拒否問題。
メディアやSNSの反応が批判一色に染まったのを見て、「なんでそんなに批判するの?」と不思議に思った人もいるではないだろうか。
自分もその1人。
「いやいや、よってたかって批判して、それ言葉の暴力じゃないか?」
そう思った。
今回の騒動の流れはこうだ。
ポイント
取材後の会見拒否を、大阪なおみ選手が表明
メディアやSNSが猛批判。大会運営側やテニスプレーヤーも苦言。
大阪なおみ選手による、大会辞退。うつ病の症状があることを告白。
これに対する、本記事の主張はこうだ。
ポイント
みんな、事情を知って反応しているんですか?
行動だけで人を判断するのは、想像力が足りない証拠
以下、主張について説明していく。
事情を知って反応してますか? → メディア、大会運営側、テニスプレーヤー
驚いたのが、大阪なおみ選手による会見拒否の申し出に対する批判の数々。
1つ1つの批判内容をどうこう分析するのは記事後半に行なうとして、気になったのが
なぜ会見拒否を申し出たのか、誰か知ってますか?
ということ。
おそらく、最初の情報で反応したほとんどのメディア・スポーツ選手・大会運営側・一般人は、「会見拒否」という大阪なおみ選手の行動だけを見て、反応していた。
でもちょっと待ってほしい。
行動に至った背景を知らずに、頭ごなしに物事を判断していいのか?
少なくとも私は、このニュースを知って「なにか考えがあるんだろうな。」と思った。
考えなしに、会見拒否という異例の申し出をすることは、まず考えられない。
実際、大阪なおみ選手には会見拒否を申し出なければならない理由があったことから、この初期反応は間違っていなかったといえる。
断片的で偏った情報しか入ってこなかった第一報時期。この時期に「なんて無礼な行動なんだ!」「嫌なら引退すればいい!」と反応していた人は、注意したほうがいい。なぜかというと、
ポイント
メディアからの情報を受け取る→反応する
を無意識のうちに行なって過ごしているから。
ポイント
メディアからの情報を受け取る→事実に基づいたものか、どんな背景か考える→反応する
正常な反応はこうでありたい。そうじゃなきゃ、もっともらしい意見は言えても、浅い意見にしかならない。
今回の出来事の結末は、ご存知の人も多いだろう。
大阪なおみ選手は、全仏オープン女子シングルスを辞退した。
[blogcard url="https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210601/k10013061421000.html"]
この結末、誰が幸せになっただろう。何か現状に変化はあっただろうか。
事情を知ってみよう
ここで、大阪なおみ選手が会見拒否に至った経緯を整理してみよう。
事情は、大坂なおみ選手のTwitter上での回答を読めばわかった。
— NaomiOsaka大坂なおみ (@naomiosaka) May 31, 2021
ポイント
・2018年の全米オープン以来、長い間うつを患っていた。
・世界中に発信される場でコメントするのは大きな不安だった
・会見拒否は、自分を守るためにやむなくとった対応
こうした事情がわかれば、彼女の行動に理解を示す人も多いだろう。
いやいや、先に言ってよ!
と揚げ足を取る人もいるかもしれない(なぜ先に言わないのか、的なタイトルの記事もある様子)。
そんな重箱の隅をつつくようなことをする前に、「『 なにか事情があるんだろう』と想像してからコメントすればよかったな」と自分を振り返ったほうが、有意義。
そう思えないだろうか。
まとめ:批判する場合は、ワンクッション置いてから発言しよう
冒頭で述べた、本記事の主張をこうだ。
ポイント
みんな、事情を知って反応しているんですか?
行動だけで人を判断するのは、想像力が足りない証拠
情報が入ってすぐに反応すると、浅い意見になったり、不要に人を傷つけてしまう。
なので、情報を受け取ったあとは、「情報の正確さや背景を考える」というワンクッションを置いてから意見を述べることが望ましい。
大阪なおみ選手が提起した「会見の必要性」の是非は、これから議論が深まることだろう。その議論には興味を持たない人も一定数いるだろう。
でも、情報への反応は一度立ち止まって考えたほうがいい。
あなたが受け取った情報は、断片的なものでしかない。
受け取った情報を補完し、自分の中で消化してから発言する。
・・・そんな人間でありたい。
おまけ:批判への反論
会見は選手の義務。応じるのも含めて試合
・会見が無くなって困ることはあるか
・誰が会見を必要としているのか
・試合直後である必要があるのか
会見の際にスポンサー広告が表示されるんだから、契約している以上会見には応じないと駄目
スポンサーは、大阪なおみ選手への支持を表明している。
[blogcard url="https://www.cnn.co.jp/showbiz/35171646.html"]
試合後の会見を楽しみにしてるファンも多い
・試合後の、身体的にも精神的にも消耗した人に対して長々と会見させることを、良しとするか。